「見る」ことと基礎デッサンの関係

絵が上手になる方法を人に聞いたりすると、たまに「世の中の色んな絵を見なさい」と言う答えが返ってくること、ありますよね。
それに対して「え? なんで?」って思ったことないでしょうか?
自分はあくまで描きたいのであって、見たいわけじゃないですし、そもそも見たからなんなのって。
まぁ、相手の言い方にもよるのかもですが。

絵師たるもの他人の絵に興味がない人はさすがにいないでしょうけど、だからといって何の説明もなくただ「見ろ」と言われたって、何のことだか分からないのは当然といえます。

というわけで今回は、

・ここでいう「見る」とは何なのか
・具体的には何を見ればいいのか

という話です。

「見る」必要性

まず、絵を上手に描くためになぜ「見る」ことが必要なのかというと、本当はただ「見る」ことが重要なのではありません。
ある要素に気を付けて「分析する」ことが重要なんです。
「その絵にどんなテクが使われているのか」を見て、それを自分のイラストに取り入れるわけ。
「見る」という行為自体はそのための手段でしかありません。

初心者は通常、線をまっすぐ描けないし、思った通りのカーブを描くこともできない。
だから思った通りの絵が描けません。
だから、研究目的でプロから技術を盗みます。

それがいわゆる「模写」と呼ばれる基礎練習です。

もし今、手元に紙とペンがあるなら、以下の絵を真似てみてください。
髪のない顔が描かれていますが、これをそっくりそのまま描いてみます。

できますか? さすがにいきなり完全コピーは無理ですよね。
なので、以下のように分析しながらコピーします。

コツは、「線の長さ」と「角度」を見ることです。
「どのような線を」「どのような角度で」描いているのかを、「これくらいかなぁ」って感じで目算で測るのです。

そして、それをそっくりそのまま手元の紙に写します。
もちろん、定規と分度器でいちいち測っていたら気が狂うし、そもそも人間の顔に直線部分などありません。
なので、目算で測っても正しく描き写せるようになるまでひたすら練習を繰り返します
そうすることで「手に線の引き方を覚えこませる」のが、模写の目的です。

どうしても難しければ、要は「長さと角度を肌感でつかむ」ことができればいいので、部分的にトレースしても構いません。

世の中には、模写なんかやったって無駄だと思ってる人がいますが、要は上記のような意識がなかったために、何に注意して何を描いたらいいか分からず、適当に模写しちゃったから描けなかったわけです。
もしあなたがそういうタイプであれば、次は多少は大丈夫のはずです。
やってみてください。


ちなみに模写する被写体は、「好きなイラスト」と「芸能人の写真」を交互にやるのがおすすめです。
手持ちの漫画や雑誌から選んでもかまいませんし、「女の子 イラスト」とか「モデル 写真」なんてキーワードで適当に検索してもいいです。

最初はイラストで何枚かやって、慣れてきたら次は写真で何枚か。
バランスよくいろんなものを模写してください。
いきなり難しいものにチャレンジしたりせず、自分が「やりやすそうだな」と感じるものを選ぶのもポイントです。

こちらの感覚としては、だいたい20枚くらい模写すれば効果が感じられ始めるはずです。
で、100枚くらいで「だいぶ慣れた」感が出てきます。

1日1枚とか、1日5枚とか、自分で目標を決めてがんばってみてください。

2 thoughts on “「見る」ことと基礎デッサンの関係

    1. コメントありがとうございます!
      記述が足りなかったかもしれませんね。

      あくまで「よく見る」ための方法論として、ここでは「角度を測るくらいの気持ちで」と記述しています。
      気持ちの問題なので曲面にも応用できますよ! 「アールを測る気持ちで」と読み替えればいいです。

      立体物の模写をするようになると、「奥行き」が目で見て分かるようになるため、目の前に見えているはずの角度が「よく分からない」という感覚に陥りやすくなります。
      人間の脳は、奥行きも加味して角度を推測しようとするからです。

      被写体を紙面上に起こす場合、そうではなく「見た目上の角度」を観察するクセを付ける必要があり、コラムの訓練方法はこれを目的としたものです。

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